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間質性肺炎との闘病生活の中、森林インストラクター試験合格しました!

 森林インストラクターの資格への挑戦を一念発起したのが今年3月1日。以来、毎朝4時から起きて学習時間を確保、植物学や生態学、林学などの書物を広く読み深めてきました。また、裏山の探索から始めて、仕事などで遠出する機会があるたび図鑑片手にその近所の関係施設に足を延ばし、大阪市立大学理学部付属植物園(大阪府交野市)や森林総研関西支所の樹木園(京都市伏見区)ほかで、実地に樹木を観察し、学んだことを体感で身につけるトレーニングを積み重ねてきました。

 そんなさなかの8月1日に特発性間質性肺炎に罹患していることが判明。動揺するようなことはありませんでしたが、自分に残された時間がどれほどかを測りかねて当惑しました。もし、それが長くないなら、森林の勉強より優先して済ませておかねばならないことが沢山あります。また、せっかく学んでもそれを活かす時間がなければ、こんな勉強なんて無意味ではないか。 と、このあたりはさすがに迷って一時は早朝学習の習慣も中断したのですが、周囲の叱咤激励もあって復帰。一度はキャンセルした8日64時間の養成講習を受講し、美濃漢方診療所で受診するため訪問したシンガポールへも学習資料一式を持参して学習を続けました。

間質性肺炎については現時点で東西問わず完治療法はなく、医療にできることは、いかに進行を遅らせることができるかに限られます。確定診断からの5年生存率が3割という恐ろしい病気ですから、まずこの5年の壁を突破すること、さらに10年、15年と、延命を実現できれば、医療としての効果はあったと評価できます。美濃漢方診療所の劉 文鋒(りゅう・ぶんぽう)医師は、西洋医療と中医の到達点を有効に組み合わせ活用して、そうした延命の実績を積み上げてこられました。

間質性肺炎がなかなかの難敵であることは分かっていますが、だからといって座して死を待つというのも芸のないハナシなので、インターネットを渉猟し尽くした結果、和歌山日赤での治療と平行して、とにかく劉医師のもとを訪ねて、率直に相談してみようと思ったのでした。事前に、診療所のホームページを隅から隅までなめるように読み、大言壮語しない誠実な文章から、劉先生は信頼できる方だと思いました。一応、モノを書いたり読んだりすることをナリワイにしてきたものですから、そのあたりの感覚には多少自信があります。文は人なりなのです。先生の経歴はホームページでご確認いただくとして、美濃は先生の出身地である台湾南部の都市、高雄市内の地名だそうです。 

実際にお会いした劉先生は、想像していた通りの方でした。(あ、ホームページの写真だけはちょっと古いかも(^_^;) ) 最初に挨拶を交わすと、CTの画像も見ながら、また私の胸に聴診器を当てながら、静かな語り口で、私の病気についての現状の評価や今後の見通しなどについて、非常に丁寧に説明をしてくださいました。先生の説明にはいい話もあれば、もちろん悪い話もあって、まったく予断が許されない状況に変わりはありませんが、自分の症状に合った漢方薬を使い、食事など生活を改善するといった戦い方が示されたのは大きい。結果はどうあれ、少なくとも、なすすべなく、さして多くは残っていないであろう時間を、いたずらに消耗するような焦燥感からは解放されます。

 こちらが用意していった質問リストも使いながら、たっぷり1時間近く対話して聞くべきことはすべて聞き、最後に生薬で1週間分、粉末で1週間分、計2週間分の漢方薬を処方していただいて、初めての診察を終えました。これからは、体温や血圧、生活リズム、咳や痰など間質性肺炎の特徴的な症状など、毎日自分の体調をチェックして記録し、それを一週間ごとにまとめて診療所に送ると、それに対応して、改めて処方された漢方薬が2週間分送られてくるシステムです。

その間質性肺炎との闘病の中での合格ですから、さすがに感慨深いものがあります。もともと森林の勉強が目的で、受験はそのための動機付けという考えでしたが、一発合格わずか5%という難関だけに、やはり受かれば素直に嬉しいです。森林インストラクターの資格をとったからといって、それで何をしようって目算も特にはないのですが、とりあえずは森林インストラクターの目でゆっくり森のなかを彷徨し、自然の営みに深く接してみたい。

 そうして、残された自分の人生がこの資格に伴う知識のおかげで少し豊かになり、またその知識が誰かの自然理解の助けになり、また楽しい時間を過ごす役に立つなら、これほど嬉しい事はありません。さらに、手を付け始めた市民参加の森づくりの活動や、過疎山村振興の活動に活かせたらどんなに素晴らしいでしょう。そんな新しく開けた未来の可能性をめざして、まあ、急がず、ぼちぼち自分のペースで歩んでいこうと思います。

美濃漢方診療所(シンガポール)を訪ねました | 環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖より