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骨粗鬆症

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の漢方治療は?
骨粗鬆症は,タンパク質とカルシウムから成る骨の老化現象,すなわちカルシウムの総量の不足から生じる病気です。
本来,緻密であるはずの骨に鬆(す)が入り,スカスカとなってもろくなる病気です。
初期症状なしで,次第に腰や背中に軽度の痛みが生じます。骨の量が減少して,骨の構造に変化が生じ,骨折しやすくなっている状態です。
この病気は加齢につれて発生率が高くなりますが,一般的に閉経後の女性がかかる率が高く,60歳を過ぎると急激に増加してきます。最近,骨粗鬆症の原因が遺伝的素因および若いときからの食生活や日常生活,運動等が関与していること,予防が可能であることが知られるようになりました。また、骨の密度を検査・X線で測れるようになっています。

当診療所にも骨粗鬆症と診断され、カルシウム剤を長期で服用されているという方がおられますが、本格的な漢方治療も古くから確立されています。

中医学では、すでに約三千年前の古医書『素問・萎論』の中で“骨萎(こつい)”という病名で論じられています。病因は、女性は49歳、男性は56歳になると “天癸 (てんくい)”が減り、腎精が減少し骨髄も少なくなり骨が枯れる、とあります。“天癸” とは現在のホルモンにあたる物質で中医学では古くからよく知られています。また、過労、不摂生、運動不足、偏食も大きな原因と言われています。

漢方治療で古くから使われている自然生薬には、先ず、動物性ゼラチンの“阿胶 (あこう)”があります。これは、ろばの皮から抽出した100%のゼラチン質で、昔、貴族たちの秘薬として珍重されていたものです。これを服用すると、骨の密度を高めるだけではなく、皮膚のツヤも良くなり、補血作用もあります。

次に“亀鹿二仙膏(きろくにせんこう)”といって、亀の甲羅と鹿の角から抽出されたゼラチンやカルシウムと漢方生薬が調合されたお薬や、牡蠣(かき)、珍珠などが挙げられます。
これら自然生薬の特筆すべき特徴は、「煎じることによって抽出される水溶性カルシウムの存在」です。この水溶性カルシウムは、腸からすぐに吸収され、すばやく骨の密度を修復する力を発揮します。

食生活では、水溶性カルシウムが豊富に含まれているのは、緑の野菜、骨付きの鶏のスープ、スペアリブのスープ、豚骨スープ(ウェットマーケットで1kg3ドル程度で売られている)が有効です。また、意外に含有量が多いのが、柿の葉茶です。(水溶性カルシウムと熱に壊れないビタミンCが豊富・当診療所でも扱っています)カフェインフリーなので、育ち盛りのお子様や、カフェインが気になる方、カロリーが気になる方に適しています。
これらの食品を常用し、戸外での運動を心がけると、骨粗鬆症の予防にたいへん効果的です。