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生理痛

「痛む」ということは、何かが順調でなはいという証拠です。中医学では、“通じざれば、すなわち痛む”と言って、なにかが滞った状態が起こると痛むと考えます。なにが滞ると痛むのでしょうか?それは“気”“血”“水”です。漢方の本をお読みになったことがある方は、この3つの言葉はどこかのページで見かけたことがあると思います。この3つの要素の過不足は個々の体質に大きく影響し、そこからいろんな症状がでてきます。
今月は生理痛の代表的な痛みのタイプ別に中医学の観点から診てみましょう。
●ギューッと捕まれるような痛み
生理が始まると子宮をギューッと握りつぶされるような痛みを感じます。お腹をカイロやホットタオルなどで温めると楽になるタイプです。体や腹部が冷えているために血液の流れが悪く、冷たいものが滞っています。足や腰が冷たく痛み、普段から下痢をしやすい、生理時に便がゆるんだり下痢になる方が多いと言えます。このタイプの方には腹部を温める漢方薬を処方をします。生理中はポケットつきの腹巻(日本には薄手でお洒落なものや夏用のコットンのものもありました)に使い捨てカイロを入れて温めるとよいでしょう。
●刺し込むような痛み
刃物で刺されるような痛みと小さな針でちくちくと刺される痛みがあります。やはり血液の流れが滞っている方が多いのですが、菌が原因になっているなど原因はいろいろです。
耐え難い痛みがある方の治療は、最初は鎮痛剤を併用しながら始め、改善するに従って徐々に鎮痛剤を減らしていく方法がよいでしょう。
●しくしくする痛み
なかなか生理が始まらないでしくしくとした痛みが続く、生理周期が30日以上で経血は少なめという方が多いです。この痛みは「虚通(きょつう)」といい、血が足りなくて痛むことが多いので、補血作用のあるお薬を中心に処方します。また、血液を補うような食べ物を3食バランスよく採ることを心がけましょう。
●その他  眠い、だるい、頭が痛い
生理前に眠くなる、生理中や前後はだるくてたまらないというタイプは「気虚(ききょ)」といって“気”(元気の気!)が足りない方が多いです。夜更かしをせずに睡眠をたっぷりと採ったり疲れを溜めないように心がけ、生理前後はスケジュールの調整をしましょう。
このタイプには気を補うお薬の処方をします。頭が痛くなる方も、気や血の滞りが多いのでそれらの流れをスムーズにしたり、勢い良く流すお薬を処方します。

以上、よくある痛みをとりあげましたが、実際は複合タイプが多いです。また個々の事情(ダイエット中、お食事会続き、職場やご家庭でストレスのある時期など)によって同じ方でも毎月同じ症状というわけではありません。その時の症状を細かくお伺いしながら、1週間ごとにきめ細かく処方を調整して治療をしていきます。毎月なんらかの不快感や痛みがある方はご相談ください