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生命力を高めよう

生命力を高めて病気を治そう

私たち人間には、生まれつき健康でいよう、元気でいよう、病気にならないようにしようという力が備わっています。
日常的にそれを実感することは、考えてみれば多々あるでしょう。例えば、ころんで皮膚をすりむいた時、血が出て汁がでて、やがてそれが乾き、自然にカサブタがとれた時にはきれいなピンク色の真新しい皮膚ができている。また、年末年始で飲み食いが過ぎて胃がもたれたりしたとき、胃にやさしい飲食をしばらく心がけていると胃の調子が正常に戻る。疲れから口内炎ができて痛むとき、睡眠や食事を含む生活をしばらくスローダウンしてみると、いつのまにか痛みが治まり口内炎は消えている、などなど。
中医学では体全体をひとつの有機体ととらえ、人間の体を一本の大木にたとえることがしばしばあります。一本の木を一番良い状態にしてできるだけ元気に長生きさせていくように考えていきます。
時には、修復不可能な腐った枝葉を切り取ることも必要だし、痛みや苦しみをまず緩和することを最優先することもありますが、じわじわと大木を弱らせていくような慢性的な病気には根本治療が必要です。
中医学が、そういった慢性病の根本治療を得意とする理由は、体全体のバランスをみながら、生まれつき備わっている生命力、免疫力、治癒力を高める事によって病気と対面していこうとする医学だからです。
バランスの崩れを見極め、漢方薬の服用によって、足りないものを補い、要らないものを捨て去り、気血の流れを整えるとともに、病気の原因になっている悪い生活習慣を改善していくと、弱っていた大木がじわじわと生命力を取り戻し、大地の栄養を吸い上げ、太陽の光を吸収し、若葉をつけ、元気を取り戻していきます。だから、一見なんの関係もないような胃腸と頭髪が実は密接な関係にあったりして、胃腸の治療をしていたらハゲが治った、じんましんの体質改善の治療中に生理不順が治り赤ちゃんに恵まれた、自律神経障害の治療をしているうちに視力が良くなった、などといった例がたくさんあります。
運動不足、食生活の変化、環境汚染、コンピューターによる仕事の変化、新たなストレス。。。それでも人は大昔とさほど変わらない身体で生きていかなければならず、新たな慢性病が増え続けています。
今年もいろんな症例を取り上げながら、漢方百話でご紹介していきたいと思います。